2007.03.28〜2007.05.18 人形劇三国志・視聴日記

2007.02.26 人形劇三国志

 現在時代劇専門チャンネルで放映している、かの古典作品「人形劇三国志」を視聴している。

 孫堅がいよいよでてきました。あああ悪役だよー、やっぱりなー! しかも貴方幾つ? って思う老人ヴォイス。この分だと孫権は確実にもっと悪役だろうか。悪役は悪役でも、曹操様はかっこいい悪役だし、董卓も愛嬌のある悪役なのに。

 そういえば董卓軍。李儒かっこいいよ李儒! 一部でなぜか人気である理由がなんとなくわかった。

 夏侯淵に助けられる曹操様にちょっと萌え。実はいまいち曹操麾下の区別が付いていない私。軍師系はともかく武闘派はまだまだ。曹仁は、周瑜や朱桓と戦ってた人だな。夏侯惇は目玉の人。夏侯淵は…………羊祜の奥さんのおじいさん。……と、いう具合に、よくわかっていない。

 一緒に見ている家人の「この展開って、史実ではどうなの?」にちっとも返答できない日々。頼む、早く三国時代になってくれ!

2007.03.28 人形劇三国志

 相変わらず、人形は大変美しい。でもでも話がものすごい展開で、おそらく演義以上に呉の扱いがほんと酷い。

 一緒にブーイングしながら観ていた家族がしばらく留守だというのに、もう少しでブーイングのハイライトと予測される赤壁の戦いが開戦してしまう! ひとりだと文句が言えなくて胃が痛い! とか言いつつ観る、微妙にマゾヒスティック。

 これまでの中では、呂布がかわいくて、郭嘉がかっこよかった。しかし郭嘉がお亡くなりになってからというもの、曹操軍はブレーンを欠いてただの間抜けな悪役にどんどん没落……。荀彧とかなぜか出ても来ないし。ああ曹操様、最初は結構かっこよかったのに。

 私としては、呉、晋の次に好きな軍勢は魏なわけだが、知識不足。人多くて覚えられないよう。好きな曹家の人の順番は、曹髦曹叡曹丕曹操……とかそんな感じで。曹叡は意味もなく軍人気質なとこがスキ。曹髦は若気の至り的な青さがスキ。曹丕は天然なとこがスキ。

 人形劇郭嘉は、かっこいいんだけど全然三十代にみえなくてさ。笑 曹操様が「わしの麾下で一番若かったのにー」みたいなことを仰った瞬間、家族は「ええっそうだったの!?」と衝撃を受けていた。

2007.04.17 人形劇三国志の荀彧

 荀彧のあんまりな扱い(ついにこれまでスルーされ続けていた令君が登場!なぜか曹操より程昱より超じいさんだ!登場1分で曹操様とケンカ!10分後くらいになんか程昱さんが荀家にあやしい箱持ってきたよ。まさか!ええっ!fin.)に涙しつつ。

 一体この、郭嘉との天と地ほどの出番の差は何。私は曹操麾下ブレーンでは荀彧派なのでもうショックだよ。基本的に、品行方正で思い詰め型の人がスキなので! ただ、郭嘉も不健康ぽいところはスキだ。

2007.04.27 人形劇三国志と阿斗サマ

 阿斗サマが、無気味でカワイイ。まだ幼児だけど、妙にうつろな目にボブの髪、舌っ足らずなくせに腹に一物ありそうな妙ーーに冷めた喋り方がたまらない。基本的に子ども嫌いな私の心を逆に掴んでくれました。笑

 周囲のおとなたちが「賢くおなりになって!」みたいな台詞を言う度「いや、阿呆になるから」と容赦なくつっこむ家族(一緒に鑑賞)。暗君代表のように言われる劉禅、実は頭が良くてすべて計画的行動だったなどの説もあるらしいけど、私はそのあたりの事情をよく知らないので、何ともいえず、中立。

 でも本場中国で、劉禅の像を建てても恨まれてて破壊されたりする、とかいうのは、ある意味人気があるっていうか! 孫晧たんの彫像とか建てても破壊される以前に、これ誰? ってなりそう。それとも本場では有名なのだろうか? 最近は、中国の若者もコーエーのゲームで三国志を知るということなので! フランスの若者がベルばらでフランス革命に興味を持ったりするらしい。

2007.05.08 人形劇三国志 呂蒙

 りょもーー!(´;ω;`)

 人形劇三国志の呂蒙が、クレームが付くほどひどい悪役にされているらしい、と言うことは知っていた。あらすじまで調べて覚悟して見たのに、それでもショックだ。しかも私は別に、特別呂蒙ファンというわけではない。ファンの怒りは推して知るべし。

 陸遜が、結構渋くて冷徹でかっこいいのが救い。人形が使い回しなのはともかく。でも考えてみると演義原作なんだからさー、美玉のような美形にしてよ!笑

 首になっても亡霊になっても大活躍の関羽は、きっとこれからも延々と回想シーンとかで出てくるんだろう。さすがにちょっとしつこいよお前……! というのはもちろん、関羽という人物そのものではなく、あくまで人形劇のキャラに思うわけだけど、それでもどうしても関羽のイメージに影響しようというものだ。逆にいえばこれが有名なせいで、呂蒙=悪人だと勘違いしている人が多いのも、わかる気がする。あんないいひとなのに。

 ところでこの作品は、どこまで続くの? 諸葛亮が死ぬまでだろうか? 三国時代末期がないのはわかっている。呂蒙みたいな被害に遭うくらいなら、永遠にひっそり陽の目を見ないことを祈る。現代メディアもほんとに三国志大戦くらいで打ち止めでお願いします……もうマイナーでもいいからそっとしておいて……

2007.05.11 人形劇三国志 CM

 人形劇三国志も終盤にさしかかり、ついに張飛もお亡くなりに。しかし関羽のあのしつこさに比べ、このアッサリ具合は何? 呉ファンとしてはあまり好きになれない桃園ブラザーズの中で、張飛は比較的好感が持てる。

 張飛といえば、北方三国志での感動的な暗殺のされ方が素晴らしい。一見かっこ悪い生き様・死に様すらもムダにかっこよくしてしまう北方マジック。

 話が逸れたけど、そのチャンネルで最終回のCMが流れる。それが、「天下を征するのは、魏か、蜀か?」みたいな感じの(うろおぼえ)コピーで、あの……やっぱ呉は無視ですかそうですか。でも、天下を征したのは魏でも蜀でもないじゃん。ズルいけれど、広告として巧い。そして、この放送にあたって作られたCMだから普通に現代的なもので、本編の時代がかったノリとはかけはなれているのもウケる。

 そろそろ夷陵の戦いかな……? あああ陸遜はどんな悪役にされるんだろうか! と思うと気が気でない。これまでは比較的まともっていうか寧ろ普通にかっこいいんだけど。そういえば司馬懿も意外にまっとうに冷静沈着な名軍師でかっこいい。若いし。

 あまり出番のない呉だけど、孫権が陸遜に「お前の義父の、兄孫策が……」のようなセリフを言うシーンがあったりして、ちょっと嬉しい。

2007.05.18 人形劇三国志 夷陵の戦い

 夷陵の戦いは始まったと思ったら即終わり!

 さらに同じ回のうちにりゅーびがお亡くなりに。のんびりしすぎだった序盤〜中盤に比べて、あと数回でお終いというここにきて、怒濤の慌ただしい急展開。最終回のひとつ手前で出てきたと思ったら即泣いて斬られる馬謖とか、何だか時間配分間違ってない? ヒゲ殿のしつこい亡霊出演を三分の一くらいに削ればよかったのに!

 人形劇的には、夷陵の前からりゅーびが病になり、敗けたのはそのせいだよ☆ という展開だと言いたいのだろうか。相変わらずの超ご都合主義! でも陸遜は、総じてヒドイ扱いの呉将の中では断然かっこいい。時とともに声が思いっきり曹操様っぽくなってしまっているんだけど(声が同じ俳優なので)、若いころの甲高い声よりずっといい。

 孫権が陸遜を大都督に任じても、誰も反対しませんでした! 直前で一体何話ぶりの登場だったかという闞沢まで登場していたから、期待したのに。でも……確かにそりゃ誰も反対しないはずだ。この陸遜、前から外交官やら君主付き参謀やら兼任で、誰よりも大活躍してるんだもん。ギリギリ、陣中で部下が文句を言うのに剣を抜いて一括するシーンがあってうれしい。でもこの陸遜もともと超貫禄あるから、ここぞという有り難みがないような気もするけど。

 そして石兵八陣で迷子になった陸遜、なぜかしゆたんにロープで吊り上げられて救出される。ちょっと……カワイイんだけど……。「石兵八陣とか演義の創作話だから!」といちいちつっこむ私に「いや、わかるって」と呆れる家族。確かに、現実にあるわけがないが。でもそこは力説しておかなければ、私は陸遜の地味に完璧なところが結構好きなのよ。欠点がある方がかわいいけれど、彼は完璧でも良いじゃないかと思う。

 ちなみに魏では、完璧軍師の司馬懿が劉備が敗けることを予測。そうなのか! 的な曹丕の反応。これってほんとは曹丕のセリフじゃない? ヒドイ扱いだ。まあ私としては、司馬懿がかっこいいのはいいことなんだけど。その曹丕も次の回くらいでお亡くなりになって、ちょこっとだけ曹叡が出てきました。なんで曹操と曹叡はけっこう美形のお人形なのに、曹丕だけぽっちゃりなんだろう。私は曹叡好きだからまあいいけど。

 そうそうTさん! かこーぼー出てました!(私信)それはもう酷い扱いで、日ごろはあまり悪口を言わない孔明先生に人格否定されまくりでしたが……

2007.05.18 人形劇三国志 最終回

 死せる諸葛生ける仲達を走らす。とかいいますが、なぜ諸葛だけ呼び捨て? 仲達先生が敬われていると思っていいかしら?(「孔明」となっている場合もあるけれど、正しくはどちらだろう?)そんなこんなで、ちょっとビックリした人形劇三国志最終回の話。

 このシーンって、諸葛亮に似せた木像を立てて、仲達先生がビックリ、ていう話じゃなかったっけ? それが人形劇諸葛亮は木像ではなく本人の死体を使用するように遺言。素で死体を押し立てる姜維と関平(なぜか五丈原まで生きてる関平。演義では生きてたのだろうか? ちゃんと読んでいないもので……)。人形劇だからいいけれど、リアルに考えると軽くグロシーンだよこれ!

 でも、ここ以外はすべてにおいて大変かっこよかった仲達先生。もっと酷い悪役にされているんだろうな、と思っていたので意外にも良かった。しかし魏陣営には程昱や賈詡が最後まで生きていて、一体あなたがた幾つまで現役なのよ、呂岱もビックリだよ。(と思ったけど計算すると呂岱のが上手かも。呂岱は呉の武将で、リアルに九十六歳まで現役! っていうひと)

 そもそもこの逸話自体、色々つっこみたいけど、まあ私にとっては五丈原の戦いは、真に熱い時代へのオープニング!……なのでさしたる重要問題ではありませぬ。

 人形劇三国志、全体としてツッコミどころ満載だし、呉ファンとしては憤慨するところも多かったけれど、おもしろかったです。何より、解説者やCGがでてこなければ、古さを感じさせない美しさは素晴らしかった。

 そして、重要なこと。この作品は、娯楽作品は「たのしさ>リアリティ」であるということを強く教えてくれました。